看護アセスメントの書き方:基本から応用まで徹底解説

看護アセスメントの書き方:基本から応用まで徹底解説

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看護師にとって、正確なアセスメントは患者の状態を把握し、適切なケアを提供するために不可欠です。しかし、アセスメントの書き方に迷う方も多いのではないでしょうか?この記事では、看護アセスメントの書き方を、基本的な手順から具体的な例文、そしてよくある間違いまで徹底解説します。アセスメントスキルを向上させ、患者さんにより良いケアを提供するための知識を習得しましょう!

看護アセスメントとは?基本的な流れと重要性

看護師にとって、アセスメントは患者さんの状態を正確に把握し、適切な看護を提供するための基盤となる重要なプロセスです。しかし、アセスメントという言葉は知っていても、具体的にどのようなものか、どのように行えば良いのか、戸惑う方もいるかもしれません。ここでは、看護アセスメントの定義、流れ、そしてその重要性について解説します。アセスメントの基礎をしっかり理解し、患者さんへのより質の高い看護につなげましょう。

アセスメントの定義と目的

アセスメントとは、患者さんの健康状態に関する情報を収集し、分析し、問題点を特定するプロセスです。具体的には、患者さんの身体的、精神的、社会的な側面を多角的に評価し、そのニーズを把握します。アセスメントの目的は、患者さん一人ひとりに合った看護計画を立案し、最適なケアを提供することです。

アセスメントの主な目的は以下の通りです。

  • 患者さんの健康状態を正確に把握する
  • 看護問題(ニード)を明確にする
  • 看護目標を設定するための根拠を得る
  • 看護介入の効果を評価するための基準を作る

看護過程におけるアセスメントの位置づけ

看護過程は、看護師が患者さんに対して行う一連の活動を体系化したものです。アセスメントはこの看護過程の最初のステップであり、その後の看護計画、実施、評価へとつながる重要な基盤となります。アセスメントが不十分だと、その後の看護ケア全体に悪影響を及ぼす可能性があります。正確なアセスメントは、看護の質を左右する重要な要素なのです。

看護過程の各ステップは以下の通りです。

  1. アセスメント:情報収集、分析、問題点の特定
  2. 看護診断:看護問題の明確化
  3. 計画:看護目標と介入計画の立案
  4. 実施:計画に基づいた看護介入の実行
  5. 評価:介入の効果の評価と計画の見直し

アセスメントの重要性と患者への影響

正確なアセスメントは、患者さんの安全を守り、より質の高いケアを提供するために不可欠です。患者さんの状態を正しく理解することで、早期に問題を発見し、適切な介入を行うことができます。これにより、合併症の予防や症状の緩和、そして患者さんのQOL(Quality of Life:生活の質)の向上につながります。アセスメントは、患者さんと看護師との信頼関係を築く上でも重要な役割を果たします。

アセスメントが不十分な場合、以下のようなリスクがあります。

  • 見落としによる病状の悪化
  • 不適切な看護介入による患者さんの負担増加
  • 患者さんのニーズに合わないケアの提供

このように、アセスメントは患者さんの健康とQOLに直接的な影響を与えるため、看護師にとって非常に重要なスキルなのです。

アセスメントに必要な情報収集:観察、問診、検査データの活用

看護アセスメントは、患者さんの状態を多角的に把握するために、さまざまな情報を収集することから始まります。観察、問診、そして検査データは、それぞれ異なる角度から患者さんの情報を与えてくれます。これらの情報を総合的に分析することで、より正確なアセスメントが可能になります。

身体的所見の観察ポイント

観察は、看護師が患者さんの状態を直接的に把握するための重要な手段です。五感をフルに活用し、患者さんの身体的所見を注意深く観察しましょう。観察すべきポイントは多岐にわたりますが、特に以下の点に注目することが重要です。

  • 全身状態:顔色、呼吸の状態、体位、表情、意識レベルなど、患者さんの全身の状態を把握します。
  • バイタルサイン:体温、脈拍、呼吸数、血圧、SpO2(経皮的動脈血酸素飽和度)を測定し、基準値からの逸脱がないか確認します。
  • 皮膚:色調、温度、湿潤、弾力、発疹、浮腫、創傷の有無などを観察します。褥瘡の早期発見のためにも、皮膚の状態は特に注意深く観察しましょう。
  • 呼吸器系:呼吸音、呼吸回数、呼吸の深さ、咳嗽の有無、痰の性状などを観察します。呼吸困難の兆候を見逃さないようにしましょう。
  • 循環器系:チアノーゼの有無、浮腫の程度、脈拍の異常などを観察します。
  • 消化器系:腹部の膨満、蠕動音、嘔気・嘔吐の有無、排便状況などを観察します。
  • 神経系:意識レベル、瞳孔の大きさや対光反射、四肢の麻痺やしびれの有無などを観察します。

観察の際には、客観的な情報を記録することが重要です。患者さんの訴えだけでなく、観察によって得られた情報を具体的に記録することで、アセスメントの精度を高めることができます。

患者の訴えを丁寧に聞き出す問診スキル

問診は、患者さんから直接話を聞き、主観的な情報を収集する重要なプロセスです。患者さんの訴えを丁寧に聞き出すためには、看護師としての高いコミュニケーションスキルが求められます。以下の点に注意して、問診を行いましょう。

  • 傾聴:患者さんの話を遮ることなく、最後までしっかりと聞きましょう。患者さんが安心して話せるような雰囲気を作り出すことが大切です。
  • 質問:オープンクエスチョン(はい・いいえで答えられない質問)を用いて、患者さんの考えや感情を引き出しましょう。「いつから」「どのような」「どのくらい」といった具体的な質問を心がけましょう。
  • 共感:患者さんの気持ちに寄り添い、共感の姿勢を示しましょう。「つらいですね」「お気持ちお察しします」といった言葉で、患者さんの不安を和らげることが大切です。
  • 明確化:患者さんの言葉が曖昧な場合は、具体的に質問して内容を明確にしましょう。「痛み」の程度や性質を尋ねる際には、VAS(視覚的アナログスケール)などを活用するのも有効です。
  • 要約:話の途中で内容を要約し、患者さんに確認することで、情報の誤解を防ぎましょう。

問診を通して得られた患者さんの主観的な情報は、アセスメントにおいて非常に重要な意味を持ちます。患者さんの言葉に耳を傾け、その背景にある思いを理解しようと努めましょう。

検査データの解釈と活用方法

検査データは、患者さんの身体の状態を客観的に示す重要な情報源です。血液検査、尿検査、画像検査など、さまざまな検査結果を解釈し、アセスメントに役立てましょう。検査データを活用する際には、以下の点に注意が必要です。

  • 基準値の確認:検査項目の基準値を理解し、異常値がないか確認します。検査機関や施設によって基準値が異なる場合があるため、注意が必要です。
  • 関連性の検討:検査結果と、患者さんの自覚症状や身体的所見との関連性を検討します。単に検査結果を見るだけでなく、総合的に判断することが重要です。
  • 経時的変化の把握:過去の検査データと比較し、検査結果の経時的な変化を把握します。病状の改善や悪化の兆候を早期に発見することができます。
  • 専門家との連携:検査データの解釈に迷う場合は、医師や検査技師などの専門家に相談しましょう。

検査データは、患者さんの状態を客観的に評価するための重要なツールです。しかし、検査データだけにとらわれることなく、患者さんの全体像を把握することが大切です。問診や観察で得られた情報と合わせて、総合的にアセスメントを行いましょう。

アセスメント記録の書き方:フォーマットと例文

看護アセスメントは、患者さんの状態を正確に把握し、適切な看護ケアを提供するための基盤となる重要なプロセスです。記録はその過程を可視化し、他の医療従事者との情報共有を円滑にするために不可欠です。ここでは、アセスメント記録の基本的なフォーマットと、具体的な例文を通して、その書き方のポイントを解説します。正確な記録作成は、患者さんの安全を守り、質の高い看護を提供する上で不可欠です。

SOAP形式による記録方法

SOAP形式は、看護記録で広く用いられる記録方法の一つです。患者さんの情報を構造的に整理し、看護師間の情報共有を容易にするというメリットがあります。それぞれの項目に沿って情報を記述することで、患者さんの状態を多角的に把握し、適切なケアプランを立てることが可能になります。

SOAPの各項目は以下の通りです。

  • S(Subjective:主観的情報):患者さんの言葉による訴えや、自己申告の内容を記録します。
  • O(Objective:客観的情報):看護師が観察した事実や、検査結果などの客観的な情報を記録します。
  • A(Assessment:アセスメント):SとOの情報を基に、患者さんの状態を分析し、問題点を明確にします。
  • P(Plan:計画):アセスメントの結果に基づいて、具体的な看護計画を立案します。

ゴードンによる機能的健康状態分類を用いた記録方法

ゴードンの11の機能的健康パターンは、患者さんの全体像を把握するための包括的なアセスメントフレームワークです。このフレームワークを用いることで、身体的、精神的、社会的な側面から患者さんを評価し、多角的な視点から問題点を見つけ出すことができます。各パターンに沿って情報を収集し、記録することで、より詳細なアセスメントが可能になります。

ゴードンの11の機能的健康パターンは以下の通りです。

  1. 健康知覚と健康管理
  2. 栄養・代謝
  3. 排泄
  4. 活動・運動
  5. 睡眠・休息
  6. 認知・知覚
  7. 自己知覚・自己概念
  8. 役割・関係
  9. 性・生殖
  10. コーピング・ストレス耐性
  11. 価値観・信条

S・O・A・Pそれぞれの項目の具体的な書き方

SOAP形式での記録は、それぞれの項目を具体的に記述することが重要です。以下に、各項目の記述例と、そのポイントを示します。これらの例を参考に、患者さんの状態を正確に記録しましょう。

S:主観的データの記録例

主観的データは、患者さんが自ら語る情報です。患者さんの言葉をそのまま記録することが基本です。例えば、以下のように記録します。

  • 「今朝から頭痛がする。ズキズキする痛みで、我慢できないほどではない。」
  • 「食欲がなく、ご飯が食べられない。」
  • 「夜に眠れず、何度も目が覚めてしまう。」

ポイント:患者さんの言葉を引用符で囲み、具体的な症状やその程度を記録します。患者さんの感情や感じ方も重要です。

O:客観的データの記録例

客観的データは、看護師が観察した情報や検査結果など、客観的な事実です。数値や具体的な観察結果を記録します。例えば、以下のように記録します。

  • バイタルサイン:体温37.5℃、血圧140/90mmHg、脈拍80回/分、呼吸数18回/分
  • 創部の観察:右足関節部に5cmの創傷、滲出液あり
  • 検査データ:CRP 5.0mg/dL(基準値:0.3以下)

ポイント:数値データは正確に記録し、観察結果は具体的に記述します。検査データは、基準値と比較して評価します。

A:分析・解釈の記録例

アセスメントの項目では、SとOの情報を基に、患者さんの状態を分析し、問題点を明確にします。例えば、以下のように記録します。

  • 「頭痛の訴えとバイタルサインから、軽度の炎症反応が疑われる。」
  • 「食欲不振とCRP上昇から、感染症の可能性を考慮する。」
  • 「睡眠不足と頭痛の訴えから、ストレスが原因である可能性がある。」

ポイント:客観的データと主観的データを関連付け、問題点を具体的に記述します。根拠となる情報を明記し、論理的な思考過程を示します。

P:計画の記録例

計画の項目では、アセスメントの結果に基づいて、具体的な看護計画を立案します。例えば、以下のように記録します。

  • バイタルサイン測定を1日2回行い、状態を観察する。
  • 医師の指示に基づき、解熱鎮痛剤を投与する。
  • 患者さんの安静を促し、睡眠環境を整える。

ポイント:具体的で実行可能な計画を立てます。目標、具体的な行動、評価方法を明確にします。必要に応じて、医師や他の医療専門職との連携を計画に含めます。

アセスメント記録におけるよくある間違いと対策

看護師として患者さんのケアにあたる上で、正確なアセスメント記録は不可欠です。しかし、アセスメントの記録は複雑で、多くの看護師が間違いを犯しやすいポイントが存在します。ここでは、アセスメント記録でよくある間違いとその対策について解説します。これらのポイントを理解し、記録の質を向上させましょう。

主観的データと客観的データの混同

アセスメント記録において、主観的データと客観的データの区別を曖昧にしてしまうことは、よくある間違いの一つです。* 主観的データ:患者さんが「どう感じているか」を表す情報です。例えば、「頭が痛い」「気分が悪い」といった患者さんの訴えが該当します。* 客観的データ:観察や検査によって得られる、事実に基づいた情報です。バイタルサイン(体温、脈拍、血圧など)、検査結果、身体所見などが含まれます。混同してしまうと、記録の信憑性が失われ、適切なケアプランを立てることが難しくなります。対策* 記録する際に、それぞれのデータを明確に区別し、どちらのデータであるかを明記しましょう。* 患者さんの言葉を引用する場合は、引用符「」を使用して、主観的な情報であることを明確に示しましょう。* 客観的データは、具体的な数値や観察結果を正確に記録しましょう。

情報の不足や偏り

アセスメントに必要な情報が不足していたり、特定の情報に偏ってしまったりすることも、記録における一般的な問題です。情報の不足* 患者さんの病歴、既往歴、アレルギー歴など、重要な情報が記録されていない場合があります。* 患者さんの生活習慣(食事、睡眠、排泄など)に関する情報が不足していると、全体的な健康状態を把握することができません。情報の偏り* 患者さんの身体的な状態にばかり着目し、精神的な状態や社会的な背景を無視してしまうことがあります。* 看護師の個人的な興味や関心に基づいて、情報収集が偏ってしまうこともあります。これらの問題は、患者さんの全体像を捉えることを妨げ、適切なケアを阻害する可能性があります。対策* 包括的なアセスメントを行うために、様々な情報源(患者さん本人、家族、カルテ、検査データなど)から情報を収集しましょう。* 系統的な情報収集のために、アセスメントのチェックリストやフォーマットを活用しましょう。* 患者さんの身体的、精神的、社会的な側面をバランス良く評価し、記録しましょう。* 定期的に記録を見返し、情報の不足や偏りがないか確認しましょう。

分析・解釈の不足

アセスメント記録において、収集したデータを分析し、解釈するプロセスが不足していることも問題です。単に情報を羅列するだけでなく、その情報から何が読み取れるのか、患者さんにどのような問題があるのかを明確にする必要があります。問題点* 収集したデータから、患者さんの健康上の問題点やリスクを特定できていない。* データの意味を解釈し、看護問題に結びつけることができていない。* なぜそのような状態になっているのか、原因や関連因子を考察できていない。分析・解釈が不足していると、問題点が曖昧になり、適切な看護計画を立てることができません。対策* 収集したデータを整理し、関連性のある情報をまとめましょう。* 患者さんの訴えや症状から、具体的な看護問題(例:疼痛、呼吸困難、不安など)を明確にしましょう。* 問題の原因や関連因子を考察し、記録に記述しましょう。* 必要に応じて、他の医療従事者と情報交換し、多角的な視点から分析を行いましょう。

計画の不備

アセスメント記録に基づいて、適切な看護計画を立案することは重要です。しかし、計画が不十分であったり、具体的な内容が欠けていたりすることがあります。問題点* 目標が曖昧で、何を達成したいのかが不明確である。* 具体的な看護介入(ケアの内容)が記述されていない。* 評価方法が示されておらず、計画の効果を測定できない。* 患者さんの個別性やニーズが考慮されていない。計画に不備があると、看護ケアが効果的に行われず、患者さんの状態改善に繋がらない可能性があります。対策* 患者さんの状態に合わせて、具体的で実現可能な目標を設定しましょう(例:疼痛のレベルを3から1に軽減する)。* 目標を達成するための具体的な看護介入を記述しましょう(例:鎮痛薬の投与、体位変換、リラックスできる環境の提供)。* 計画の効果を評価するための指標や方法を明確にしましょう(例:疼痛スケール、バイタルサイン、患者さんの自己申告)。* 患者さんの意向や価値観を尊重し、個別性のある計画を立てましょう。* 計画を実行し、定期的に評価を行い、必要に応じて修正しましょう。

様々なケースへの対応:老年期、小児期、精神疾患など

看護アセスメントは、患者さんの年齢や状態によって、着目すべき点やアプローチが異なります。ここでは、老年期、小児期、精神疾患を持つ患者さんに対するアセスメントのポイントを解説します。

老年期の患者さんへのアセスメント

高齢者の場合、身体機能や認知機能の低下、複数の疾患を抱えていることなど、特有の課題があります。

  1. 身体的特徴と注意点
    • 視力や聴力の低下:情報伝達に工夫が必要です。
    • 皮膚の脆弱性:褥瘡(じょくそう)のリスクを評価します。
    • 服薬管理:複数の薬を服用している場合が多く、相互作用や副作用に注意が必要です。
  2. 精神・心理的特徴と注意点
    • 認知機能の低下:見当識障害、記憶障害、理解力の低下などを評価します。
    • うつ病:見過ごされやすいため、注意深く観察し、必要に応じてスクリーニングを行います。
    • 孤独感:社会的なつながりの喪失や孤立感を把握し、支援を検討します。
  3. アセスメントのポイント
    • ADL(日常生活動作)やIADL(手段的日常生活動作)の評価:生活の質を把握します。
    • 栄養状態の評価:低栄養や脱水に注意します。
    • 転倒リスクの評価:転倒予防のための対策を立てます。
    • 本人の意思を尊重し、丁寧なコミュニケーションを心がけます。

小児の患者さんへのアセスメント

小児のアセスメントは、年齢や発達段階に応じて、アプローチを変える必要があります。

  1. 年齢別の特徴と注意点
    • 乳児:保護者との関係性、成長発達の評価、病気に対する親の不安に配慮します。
    • 幼児:遊びを通しての情報収集、言葉の発達段階に応じたコミュニケーション、自己主張への対応を行います。
    • 学童:学校生活への影響、友人関係、自己表現の理解、身体イメージへの配慮が重要です。
    • 思春期:自立心、性的な発達、友人関係、将来への不安などを考慮します。
  2. アセスメントのポイント
    • バイタルサインの測定:年齢に応じた正常値を把握します。
    • 成長発達の評価:発達段階に合わせた評価を行います。
    • 遊びやコミュニケーションを通じた情報収集:子どもの不安を軽減し、協力的な態度を引き出します。
    • 保護者との連携:情報共有を行い、子どもの状態を総合的に把握します。

精神疾患を持つ患者さんへのアセスメント

精神疾患を持つ患者さんへのアセスメントは、精神状態だけでなく、身体的な健康状態や生活背景も考慮する必要があります。

  1. 精神状態の評価
    • 気分、感情、思考の障害:症状の程度や持続時間、日常生活への影響を評価します。
    • 行動異常:攻撃性、自傷行為、他害行為のリスクを評価します。
    • 認知機能:注意、記憶、思考の障害の有無を評価します。
  2. 身体的健康状態の評価
    • 服薬状況:服薬コンプライアンス、副作用の有無を確認します。
    • 合併症:身体疾患の有無を評価します。
  3. 生活背景の評価
    • 生活環境:家族関係、経済状況、住居環境などを把握します。
    • 社会資源の活用状況:利用できる支援やサービスを評価します。
  4. アセスメントのポイント
    • 信頼関係の構築:患者さんの話を丁寧に聞き、安心できる関係を築きます。
    • 多職種連携:医師、精神保健福祉士などと連携し、多角的な視点から患者さんを理解します。
    • 自己決定の尊重:患者さんの意思を尊重し、治療への主体性を促します。

これらのポイントを踏まえ、それぞれの患者さんに合わせたアセスメントを行いましょう。

アセスメントスキルアップのための学習方法とリソース

看護アセスメントのスキルは、日々の学習と実践を通して向上させることができます。ここでは、更なるスキルアップを目指す方々へ、学習方法と役立つリソースをご紹介します。自己学習、研修、そして専門家の意見を参考にしながら、着実にスキルアップを目指しましょう。

参考書籍・ウェブサイト

アセスメントに関する知識を深めるためには、信頼できる情報源からの学習が不可欠です。書籍やウェブサイトは、基礎知識の習得から最新情報のアップデートまで、幅広く活用できます。以下に、おすすめの書籍とウェブサイトをいくつかご紹介します。

  • 書籍:
  • 看護アセスメントに関する専門書: アセスメントの基礎から応用まで、体系的に学べる書籍を選びましょう。
  • 事例研究が豊富な書籍: さまざまな症例を通して、アセスメントの思考過程を理解できます。
  • ウェブサイト:
  • 看護系情報サイト: 最新の医療情報や看護技術に関する情報が掲載されています。
  • 医療専門家のブログやコラム: 専門家の視点から、アセスメントのポイントや注意点が解説されています。

これらの情報源を活用し、自身の知識を深めていきましょう。

研修・セミナー

実践的なスキルを習得するためには、研修やセミナーへの参加も有効です。専門家による指導や、他の参加者との交流を通して、新たな知識や視点を得ることができます。以下に、研修・セミナーに関する情報をご紹介します。

  • 病院内研修:
  • 新人看護師向けの基礎研修: アセスメントの基本を学び、実践的なスキルを身につけることができます。
  • 経験豊富な看護師向けの専門研修: 特定の分野のアセスメントスキルを深めることができます。
  • 外部セミナー:
  • 看護協会や学会主催のセミナー: 最新の医療情報や看護技術を学ぶことができます。
  • 民間企業の主催する研修: 実践的なスキルアップに特化したプログラムが提供されています。

積極的に研修に参加し、実践的なスキルを磨きましょう。

自己学習方法

自己学習は、自身のペースで知識を深め、スキルを向上させるための有効な手段です。日々の業務の中で、意識的に学習を取り入れることで、着実にスキルアップできます。以下に、自己学習の具体的な方法をご紹介します。

  • 症例検討:
  • 担当患者のアセスメント記録を見直し、改善点を探します。
  • 他の看護師の記録を参考に、新たな視点を取り入れます。
  • 情報収集:
  • 患者に関する情報を積極的に収集し、アセスメントに活かします。
  • 文献検索やインターネット検索を活用し、最新の情報を入手します。
  • 振り返り:
  • 日々の看護実践を振り返り、アセスメントの課題を明確にします。
  • 目標を設定し、計画的に学習を進めます。

これらの自己学習方法を実践し、継続的にスキルアップを図りましょう。

これらの学習方法とリソースを活用し、看護アセスメントのスキルを向上させてください。自己学習、研修、そして実践を通して、患者さんへのより質の高い看護ケアの提供を目指しましょう。

まとめ:実践的なアセスメントスキルを身につけて、患者ケアの質を高めよう

この記事を通して、看護アセスメントの奥深さ、そしてその重要性を理解していただけたことでしょう。看護師として、患者さんの状態を正確に把握し、適切なケアを提供することは、日々の業務において最も重要な使命の一つです。

この記事では、看護アセスメントの基本から、記録の書き方、そして様々なケースへの対応について、具体的な情報と実践的なアドバイスを提供してきました。しかし、知識を得るだけでなく、それを日々の看護実践に活かすことが、患者ケアの質を高めるために不可欠です。このまとめでは、これまで学んだ知識をどのように活かし、さらなるスキルアップを目指していくか、そのためのステップを具体的に示します。

さあ、今日からあなたも、実践的なアセスメントスキルを身につけ、患者ケアの質を向上させるための道を歩み始めましょう。

監修者プロフィール

宮本 大輔

宮本 大輔

【経歴】
聖ルチア病院、福岡県立精神利用センター太宰府病院にて勤務
2017年 リアン訪問看護 設立
2022年 ネクストリンク訪問看護 設立
2024年 地域創生包括支援協会 理事

【資格】
・看護師
・相談支援専門員
・サービス等管理責任者

出利葉 貴弘

出利葉 貴弘

株式会社テックナビ 取締役
 -医療・福祉分野の情報発信とDX推進を担う事業責任者
株式会社LIH 代表取締役
 -Webマーケター/コンテンツディレクター

福岡を拠点に、これまで500社以上のWeb制作・マーケティング支援を行ってきました。2025年より「訪問看護テックナビ」の責任者として、医療・福祉分野の情報発信やIT導入を推進しています。
訪問看護で働く方々や、利用者・ご家族のために、「わかりやすく信頼できる情報」を届けることが私たちの役割です。本サイトを通じて、現場を支える力になれれば幸いです。

【経歴】
2015年 個人事業にてWebマーケティング業を開始
2016年 アイティーラボ株式会社(久留米市) 設立
2018年 株式会社LIH(福岡市) へ社名変更
2025年 株式会社テックナビ 取締役就任「訪問看護テックナビプロジェクト開始」

【保有スキル・資格など】
・Web制作(ディレクション・設計・ライティング)
・SEOコンサルティング(実務10年以上)
・AI×業務効率化コンサル

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